つなささ情報室
【 つながり・支え合い生活文化情報室 】
「つなささ特報」第1弾は山形県朝日町!(2026年6月22日掲載)
【 つながり・支え合い生活文化情報室 】
つながりと支え合いの「生活文化」
ここで言う生活文化は、「私たちが日々学び、働き、楽しみ、憩うことを通じて自身と周囲の人びとの人生をより理想的な状態へと引き上げようとする精神的、身体的、社会的な活動であって、地域の歴史や風土に根ざしながら、あるいは現今の社会情勢や生活様式を反映しながら、2人以上の集団により長期的に継続するもの」を指します。
たとえば、趣味・娯楽・教養・スポーツなどのサークル活動、地域の伝統的な祭りや郷土芸能などの継承、自治会・町内会などの交流イベントや共同作業といった組織的な活動はもちろん、親しい人たち同士のお茶飲み、おすそ分け、食事会や飲み会、日々のあいさつや井戸端会議、SNS(会員制交流サイト)でのやり取りといった日常のお付き合いも、「長期にわたり2人以上の集団により長期的に継続」し、私たちの人生を「より理想的な状態に引き上げようとする活動」と見ることができるでしょう。これらすべてが、生活文化です。
高齢期を幸せに過ごす「資源」
80歳、90歳になっても、一人暮らしでも、少しくらい体が不自由でも、「私はいま幸せ」と語る人たちがいます。
暮らしぶりを取材させてもらうと、周囲の人たちとの親しいつながりがあり、そのつながりのなかで孤立を防ぎ、困りごとに対処し、楽しく安心して生活している様子が見えてきました。
たとえば、毎日のように友人たちと自宅でお茶飲みをする一人暮らしの高齢女性がいます。ヒザや股関節を痛めて少し歩行が不自由ですが、介護サービスなどはまったく利用していません。この女性も「私はいま幸せです」と言います。
近所に住む4、5人のお茶飲み仲間が、入れ替わり立ち替わり女性宅にやってきます。他愛のないおしゃべりを楽しみながら、手料理のレシピや草花・野菜の育て方など、実にさまざまな生活情報を交換しています。ときには昼食や夕ごはんを一緒につくって食べます。車の運転ができる仲間が外食や買いものに連れ出してくれることもあります。若い頃に町内会女性部の活動やPTA活動などを通じて親しくなり、特に高齢になってからひんぱんにお互いの家を気軽に行き来するようになったとのこと。
女性が体調を崩すと、仲間がすぐ気づいて掛かりつけの病院に付き添ったり、食事を差し入れたり、ごみ出しや掃除を手伝ったりします。家にいるはずなのに暗くなっても灯りが点かない、朝になってもカーテンが開かないといったことがあると、仲間がすかさず電話をするか、直接家を訪ねて様子を確かめます。ちなみに、仲間の一人は認知症を患う夫の介護をしています。介護の手が空いたときに、女性宅でお茶飲みをして気分転換を図っています。
高齢期は単なる「人生の下り坂」ではありません。「幸せ」と言える生き方があります。一人暮らしでも、少し体が不自由でも、必ずしも介護や福祉のサービスに頼らずに、自分らしい生活を送ることができています。つながりと支え合いの生活文化が、高齢期を幸せに過ごすための資源となって在宅生活をあと押ししてくれているのです。
地域のお宝・人生のお宝
「高齢」に限らず、私たちが人生を生きていくうえでは、世代に関係なく、さまざまな危機に直面します。風水害や地震、事故や病気、心身の障害、経済的な困難、さらには新型感染症の拡大といったことも起こりえます。そうした状況に立たされたとき、周囲とのつながりがあれば、直面した問題が深刻化する前に必要な支えと励ましを得て、乗り越えていける可能性が高まります。
生活文化としてのつながりと、つながりに基づく支え合いは、「地域のお宝」であり「人生のお宝」です。
つながり・支え合い生活文化情報室は、誰もが自分らしい「お宝」を持ち、守り継いでいけるよう応援することを目的に活動します。具体的には、実際に「お宝」を持っている人(特に高齢世代の人)の暮らしぶりを取材し、その情報を発信し、広く共有できるようにします。
あなたの「お宝」は何でしょうか。持っているなら、どうかそれを大事にしてください。持っていないなら、自分にはどんな「お宝」がふさわしいか、どうすればそれを持てるようになるか、考えてみてください。
「お宝」をうまくイメージできないなら、まずは「高齢でも一人暮らしでも元気に楽しく過ごす」人たちの暮らしぶりを知ることです。高齢期の望ましい暮らしのあり方や、理想的な地域像についての貴重なヒントをたくさん得られるはずです。